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国語科

全ての子どもに確かな言葉の力が身につく物語の授業をめざして国語科 中尾 聡志


本校5年目になりました。
本年度は,6年1組を担任しています。

私たち教師が物語の単元を組む時,最初にすることは「学習材の選定」です。

その後,子どもたちに「確かな言葉の力」を育むことをめざして,1時間1時間の授業を組み立てていきます。

ちょっと一緒に,物語の単元づくりのシミュレーションを行ってみましょう。
教師は,子どもたちに物語を深く読み取らせることを願います。
そのために「教材研究」をするのです。

この教材研究により,子どもたちにどんな読みを起こしていこうか計画していきます。

「物語全体を通して,中心人物にはこんな変容が生まれている。
だから,この変容を読み解くことで,子どもたちは物語から大切なメッセージを受け取ることができるはずだ。」

「読み過ごしてしまいそうなこの情景描写には,登場人物の心情が隠されている。この情景描写が表しているものは,読み取らせるべきだ。」

「この物語を詳しく読み取るためには,この発問が大切だ。だからこそ,この発問をして,子どもたちにこんな問いを発せさせよう。」

「教材研究」こそが,授業の生命線です。だからこそ,教師は全力で教材研究を行っていきます。

次には「子どもの今の読み」を把握します。
子どもの読みたいものと教師の読ませたいものがかけ離れていては,授業が空回りします。

「登場人物について思ったことや想像したこと」
「みんなで話し合いたいことや疑問」
「美しいと感じた描写」などの感想を書く観点を与えて,「初発の感想」を書かせます。

そうすることで,子どもの読みからスタートする物語の授業ができあがっていきます。

「初発の感想」から出される子どもの疑問は様々です。
「根拠がなく解決できない疑問」「想像したいが根拠が少ない疑問」「人物の心情を想像する疑問」「人物同士の関わり合いで読む疑問」など,多様なものが出されてきます。

それぞれの疑問を教師が巧みに並び替え,物語を詳細に読解できるよう単元を組み立てていきます。 

物語の山場を読み解く際には,教師が考え抜いた「発問」を繰り出していきます。子どもたちが豊かな問いを発するような「発問」を行うということです。

その先には,きっとの何人かの子どもが素晴らしい読みを創り上げていくことでしょう。

いかがでしょう。
これまでこのような流れで子どもたちに物語を読み取らせてきたのではないでしょうか。

当然,上記の授業づくりはこれまでの私の授業づくりの仕方そのものです。

私もこのような流れで何度も何度も授業をしてきました。
しかし,このような「今まで通りの授業づくり」で,新たに求められる「資質・能力」を育むことができるのでしょうか。

このような単元構成で授業し,単元の終わりを迎えた時,教師は「全ての子どもに読む力をつけることができたぞ!」と言い切ることができるでしょうか。

もしかしたら,次のような結果だけが生み出されていたのかもしれません。

● 読んだ結果は教室の全ての子どもに共有された。
● 教室の半分ぐらいの子どもには読む力がつけられた。
● 教師の物語を詳細に読解する発問に,見事な反応を返す力が子どもについた。

このような結果が生まれる単元づくりでは,自分の力で粘り強く主体的に考え抜き,様々な「相手」と自己の考えを広げ深める対話を行い,新たな意味や価値を生み出す深い学びを実現することはできないのではないかと考えるのです。

私の中にそのような危機意識があります。

そこで本年度は,以下の4つの視点で,全ての子どもに「確かな言葉の力」が身につく物語の授業を目指して研究を進めてまいります。

このような授業の先にこそ,今求められる深い学びを生み出す物語の授業の姿があると確信しております。

⑴ 全ての子どもが「やってみたい」「取り組んでみたい」と思える魅力的な言語活動の設定。
⑵ 学習課題を達成するための「私の問い」をもつことと,その解決と更新が連続する単元構成。
⑶ 年間を見通した物語をよりよく読み解くための語彙の習得の工夫。
⑷ 単元を通して身につけた思考力・判断力・表現力を評価できるパフォーマンス課題の作成。

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