理科 柿原智明

 

「どうなっているんだろう」という探究心を大切に

 

本校3年目、理科の柿原智明です。今年度は6年2組を担任します。

 

年齢に関わらず、子どもたちが観察・実験に取り組むときの顔は、とても真剣です。その真剣さの根底には、「なぜだろう」「どうなっているんだろう」という問いから生まれる、「知りたい!」という探究心があるはずです。

 

昨年度の6年「ものの燃え方」の単元において、アルミ缶に思い思いの穴を開け、さらに雨が降っても大丈夫なように上に蓋をしたキャンドルランタンを、長く明るく灯らせる活動を行いました。

子どもたちは、「火を長く灯らせたい」「もっと明るく灯らせたい」という思いをもちながら、そのように灯らせることができるランタンにしようと、試行錯誤していきました。

 

単元中盤で空気の流れを線香の煙で確かめた際、「線香の煙が下の方の穴から吸い込まれて、上の穴から出て行っている」気付きを基に、全体で意見を共有する場を設定したところ、以下のようなやりとりが生まれました。

 

りか :空気は下から吸い込まれて、上の方から出て行っていることが分かりました。
 
T :では、最後にランタンを作り変えるときに、どのようにしますか。
 
みさ :私は、空気をたくさん吸い込むことができるように、一つ一つの穴を大きくしたいと思います。そうすると、酸素をたくさん含んだ空気を吸い込むことができます。
 
けい :でも、新しい空気を入れるためと言って、余計な穴を開けると、一つの穴から出てくる光は弱くなってしまうと思うんですよ。だから僕は、全体的には穴は開けません。缶の上と下にリングのように穴を開けます。

 

子どもたちは、単元最初にもった「このようなデザインを浮かび上がらせたい」という思いを大切にしながら、ものの燃え方で学習したことを基に、自分のランタンのデザインをつくりかえていきました。そして、最終的には、これまで学んだことを基にランタンを作り変え、蓋をしても明るく10分以上灯るランタンにすることができた。

 

私が今大切にしたいと思っているのは、「子どもが単元を通して追究し続ける単元デザイン」です。そこには、教材との魅力的な出会いと、問いを自分事として捉えることが重要だと考えています。

 

そこで令和6年度は、

①単元のはじめで「どうなっているんだろう」という探究心をもつことができるような教材の開発

②自分なりに納得する答えを見つけるために追究する過程を通して、そのものの本質に迫ることができる単元構成

の2つに重点を置いて、研究を進めていきます。

そして、6年生全学級の子どもたちと一緒に、理科って楽しい!と思える学びを重ねていきます。