社会科 安倍堅介

 

自ら学びのサイクルを回し続ける子どもの育成を目指して

 

本校1年目の安倍堅介です。今年度は,何事にもやる気いっぱいの3年2組の子ども達と学びを進めています。

 

これまで私が行ってきた社会科授業の実践では、子ども達が社会的事象の意味や特色について意欲的に対話を行ったり、調べ考えたことを自分の言葉で新聞やパワーポイントにまとめるなどの表現活動に取り組んだりすることを大切にしてきました。

 

しかし、子ども達のふり返りを見てみると、どこか他人事・・・

例えば、4年生の社会科、地域で受けつがれてきたものについて学習した際の単元の振り返りでは、「私は地域の伝統を守ることが大切だと思いました。」というような社会的事象を自分との関わりの中で十分に捉え切れていないと感じることが多々ありました。これは、単元導入時に子ども達と社会的事象との距離が遠かったり、社会の事実に対して切実感を感じさせられなかったりしたことが原因であると考えています。それでは、社会科の教科目標にあるような、「公民としての資質・能力の基礎」の育成には至っていないと感じています。

 

そこで、個人研究テーマにあるような、社会の学習を通して「自ら学びのサイクルを回し続ける」子どもの姿を目指します。

『学びのサイクルを回す』とは、つかむ→調べる→まとめる→いかすという単元の学習を進める中で、子ども達が自らの思い・願いを持ち社会的事象と関わること。その思い・願いを大切に調査方法を選択し取り組むこと。他者と協働しながら表現すること。単元での学びを他の事象に転用しようとすること、新たな疑問が生まれ再び社会的事象と関わることの流れと捉えています。

具体的に次の3点で研究をすすめていきたいと思います。

 

➀意欲が持続し、自ら学びを進める単元構成の工夫~構想活動を通して~

自分事の学びへと誘う社会的事象との出合わせ方を通じて、また子ども達の思いや学びの文脈に沿った構想活動のあり方の検証。

 

②構想活動とモチベーションの維持・向上につながる形成的評価のあり方

どの時期にどのような評価を行うのか、子ども達との評価規準の作成を通しての検証。

 

③自らの学びの過程、自己の変容

毎時間の学び方、達成状況についてのふり返り活動を通して、自己調整学習のサイクルを回すこと。単元終末の評価問題・模範解答の作成を通して、学びの一般化をはかることの検証。

 

社会科の教科が始まった3年生、「社会科の学習って自分達の生活とよくつながっているのだな。」「社会科って面白い、授業以外でも調べて考えてみたい。」というような子ども達の姿を目標に取り組んでいきたいと思います。

上記のような視点での実践の中で,自ら学びのサイクルを回し続けることができる社会科学習を目指していきます。