理科 赤星愛

 

自分って大切な存在なんだと実感できる理科学習

 

本校3年目になりました。今年度は、5年1組の担任と5年生の理科を担当しています。

 

昨年度は4年生を担当しました。「とじ込めた空気や水」の学習では,「目指せ!ハイパー水鉄砲クリエイター」と題して、より遠く長い時間水を飛ばせる水鉄砲の条件を探っていきました。

単元導入から空気や水の性質を使って水鉄砲の水を飛ばす活動を設定することで、空気や水に目を向けながらそれらの性質を追究し続けられるようにしました。また、圧したときの空気と水の違いや、遠くまで飛んだ場合とそうでなかった場合との違いを言葉で説明しようとするときに生じる困り感を教師が見取り、モデルで表現する場面を設定することで、空気や水についての概念の獲得や更新を促していきました。

 

すると、その活動の中で「ポンプで空気を加えたとき、もともと入っていた空気はどうなったの?」と教師が問うと、次のようなやり取りが生まれました。

C1 :バスみたい。
C2 :バスって人が入ってくるじゃないですか。もともといた人がもともとの空気で、後から乗ってきた人が新しく入れた空気で、バスみたいだなって。
C1 :空気がぱんぱんになるってことは、かなりたくさん人が乗っているってことで、混んでいるってことですよね。満員。

 

バスといった身近なもので例えながら説明することで、空気の性質を捉え直していく姿がありました。子どもたちが理科を学ぶ意義や有用性を実感するには、自分事の追究に向かえるような教材の開発や単元構成の工夫が欠かせません。そこで、「できそうなのにできない」「調べてみたい」と心から思えるような自然事象との出合いを大切にしていきます。

また、今年度は、科学的な考察を導くための他者とのかかわり合いにも力を入れていきます。一人で集めることができるデータの数には限りがあります。でも、他者がいればどうでしょうか。きっと多くのデータが集まり、より科学的な考察へとつながっていくでしょう。自分が集められなかったデータを他者が集めてくれるかもしれません。逆に、自分が集めたデータがクラス全体の考察に寄与するかもしれません。子どもが”自分って(クラスメイトって)大切な存在なんだ”と実感できる理科学習の具体を研究していきます。

どうぞよろしくお願いします。