多角的に社会を見つめることのできる子どもを育む授業を目指して
本校3年目の白石和真と申します。今年度は,5年2組の担任をさせていただいています。昨年度も5年生の担任を務めさせていただきました。昨年度の研究を,更にブラッシュアップしていけたらと考えています。
社会科において多角的に考えること,つまり様々な立場から考えたり,それらの役割を捉えたりすることは欠かせないことだと思います。立場といっても,国,県,国民,地域住民,農家,漁師―。様々です。目まぐるしく変化していく現在の社会の中で「求められる力」は日々変化しています。その求められる力の中でも「相手(当事者)の立場」に立って考える力は,今後子どもたちが社会を生き抜く上で必要不可欠な力だと考えています。
昨年度の五年生の社会科単元「自然災害とともに生きる」授業の中で,全国と熊本の風水害の被害や対策について調査をしていくことになりました。今後ますます高まっていくであろう風水害の危険性に備えて,「よりよい公助にするためのポイントとはどのようなものなのか」という視点を考えていた時。熊本の白川「緑の区間」と出合い,安全性と景観,どちらを重要視するべきなのかについて議論しました。
その際に,「国としては安全性を重視したいと思うけど,地域の人のことも考えているからこそ景観も大切にしているんだと思う。」「地域の人と言っても,自分達(附属小の子ども)と実際にそこの場所に住んでいる人とではまた立場違う。だからこそ,より多くの人たちの意見を取り入れながら公助などを考えて行く必要があるのではないか。」などといった意見がでてきました。「地域住民」という一つの立場を,さらに深堀りしながら追求していく学びの姿を見ることができました。熊本,そして全国の風水害や公助の在り方を何度も捉え直しながら,多角的に考える子どもたちの姿は本当に素敵でした。
「私だったらこうしたい。」に加えて,「あの人だったらどうしたい,どうしたかったのか。」を考えることができる子どもたちになってほしいと考えています。そして,些細なことでもかまわないので「自分は社会の役に立つことができるんだ!」といった自己有用感を感じることができる授業づくりに努めていきたいと思います。何事も「たのしむ」姿勢を大切に,本年度も子どもたちと一緒に,前向きに取り組んでいきます!!